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京都大会 「太田川ジャブジャブ大作戦」発表

平成18年2月18日

有用微生物応用研究会 第11回
自然農法・EM技術交流会 京都大会
環境分科会

 
 
 

太田川ジャブジャブ大作戦
〜平和都市ヒロシマ・美しき水の都の復活に向けて〜

 

太田川ジャブジャブ大作戦チーム 福原 一登・谷口 時彦

皆さま、はじめまして。太田川ジャブジャブ大作戦の谷口と申します。私たちの活動を、この京都大会の場で発表できますことを大変光栄に思っております。どうかよろしくお願いいたします。

私たちの活動は、太田川を昔のきれいな川に戻し、広島市が進める、美しい水の都構想に叶うような川を目指して、平成15年9月よりスタートしました。その結果、現在では、EMを活用することで、太田川全域のヘドロが数万トン消え、30億円に相当する経済効果を与えるまでになり、流域の住民や川を綺麗にしたいボランテイア団体、そして学校にも太田川を綺麗にしようという意識が広がってきています。

ここ十数年来、太田川を管理する国や県が、河川のいたるところにヘドロが溜まって、汚染が広がった太田川の環境改善にこれと言った有効な手だてがない中、一地民のボランテイア団体である、我々「太田川じゃぶじゃぶ作戦」のメンバーによる活動が、あの大きな一級河川である太田川の河川そのものを綺麗にし、魚介類の復活を実現できるなどまるで夢のような話です。

しかも、太田川をきれいにする営みは、太田川の浄化のみにとどまらず、広島湾の浄化にもつながり、あの有名な広島牡蠣の生産と様々な魚介類の復活にもつながり、結果的には瀬戸内海の浄化にも影響するという壮大なロマンにもなってきます。そして、何よりも美しい町づくりの象徴である太田川の美しい景観の復元は、観光都市広島の観光資源を光らせる産業育成であり、そして、美しい太田川の景観に触れることによる地民への「心の癒しと平安」を与える大きな文化遺産の復元であり、ルネッサンスでもあります。

そうした、新しい時代を甦らせる活動の一翼を担えることに、広島市民としての誇りと生き甲斐を改めて実感しており、その使命を与えられていることを本当に感謝しております。

そして、同時に改めてEMの持つ大きな可能性とすばらしさ、そして、EMは単なる技術だけではなく、新しい文明を築く大きな役割を担っていることを実感しております。そして、その輪を広げて行くことの大切さを痛感しています。

それではまず、我々の活動拠点である太田川を紹介したいと思います。

スライドをお願いいたします。

 

広島県広島市、瀬戸内海に面する中国地方唯一の政令指定都市です。皆さんもよくご存知の通り、世界最初の原子爆弾が投下された都市です。

次お願いします。

 

この広島市内を流れるのが一級河川・太田川です。180万人もの人々がこの川の水をいただいているといわれます。市民にとって無くてはならない大切な川です。

次お願いします。

 

市の方でも、「水の都構想」と呼ばれるものを策定し、水辺の整備を続けてきました。そのため今では、市内の水辺の至るところに美しい景観が形づくられています。

昔は川の自然も豊かで、当たり前のように川で泳ぎ、ボラやチヌ、アユといった魚を釣ったり、シジミを採ったりしていました。

次お願いします。

 

ところが、1980年頃より高度経済成長に伴って、農業排水、生活排水の増大に併せ、ダム湖建設、河口堰の建設によって流量が減少。太田川全域にヘドロがどんどん溜まって、見るからに、綺麗な太田川の景観が損なわれてしまいました。今では汚くて危ないから川に入ってはいけないといわれます。市民と川との距離が遠くなってしまいました。

次お願いします。

 

(間を置いて)次お願いします。

 

(間を置いて)次お願いします。

 

川の汚染のために、漁師の生活も危機的な状態です。漁師の河野さんは、10年前は1日に100kgものシジミを穫っていました。それが6年前には、夏場で20kg、冬場に至っては、2〜5kgしか獲れなくなっていました。実に漁獲量が1/5まで減少しました。シジミの稚貝を撒いても、川の汚染によって白く蓋を開けて斃死(へいし)してしまい、全く育たない状況にありました。白魚、ウナギの漁獲も激減しました。

次お願いします。

 

そのような状況の中、我々がこの浄化活動を始めることになったのです。その経緯をお話ししたいと思います。

今我々が活動しているのは、このスライドで「活動現場」と標示しているところで、京橋川といいます。たくさん枝分かれしている太田川の支流のひとつです。

次お願いします。

 

ここで2年前、シジミ漁師の河野さんとの出会いがありました。河野さんは、川は汚れ、シジミが穫れなくなったことを嘆いていました。「このままシジミがとれなければ、借金がかさみ、生活が出来ない状況に追い込まれて、まさに「グリコ」です。」 この太田川でシジミを捕って生活している漁師がいることすら知りませんでしたが、太田川が汚れてシジミも捕れなくなっていること。そして、生活が苦しくなっていることを、とても気の毒におもいました。 何とかしてあげたいとの思いから、EMによる瀬戸内海の浄化事例を話し、太田川も綺麗になり、シジミも復活できる話をすると、大変な期待を寄せて下さり、共に京橋川の浄化作戦を実行する事になりました。

そして、EM投入については、この川を管轄する内水面漁協組合・広島県地域事務所の了解も得られ、平成15年9月にボランティアグループを結成。ここに「太田川ジャブジャブ大作戦」が始まりました。

次お願いします。

 

投入に当たっては、京橋川の常葉橋付近に集中的に行いました。一度に2t、10日に1回のペースで活性液(2次培養)を継続的に投入し、またEMつち団子は半年に1度、2000個ずつ投入しています。これまでに投入した活性液は82t、EMつち団子は約1万個に上ります。

散布は引き潮でヘドロが露出したところへ行っています。これによってEMがヘドロに棲みつき、より高い効果が期待できます。

次お願いします。

 

また、EMつち団子については、広く市民に参加を呼びかけ投入イベントを実施。さらに、下流の水辺で行われている市民イベント「猿猴川河童まつり」へも毎年参加して、ここでも市民と共にEMつち団子の投入を行っています。

次お願いします。

 

こうした機会を通じてこの浄化活動を、多くの人が関心を持つ市民運動へと発展させていきたいと願っています。

それでは、この活動の結果どのように川がきれいになって行ったのか、そしてどのような動きが起こっているのか、私と共に活動を続けている福原さんから説明させていただきます。

福原さん、お願いします。

福原です、よろしくお願いいたします。我々の活動の成果を報告したいと思います。

次お願いします。

 

これは活動開始直後の写真です。次お願いします。

 

これが同じ場所から撮った現在の写真です。 EMつち団子やEM発酵液を、ヘドロに直接投入することで、 川の中州に堆積していた約10cmのヘドロには、しばらくするとヘドロが分解して藻が繁殖し、その後は完全に分解、砂地が露出し、ヘドロは全くなくなりました。

次お願いします。

 

成果は活動開始から1年後に現れはじめ、現在では、活動現場のヘドロはニオイが消え、深さも最大で32cm減少しました。1メートル近く溜まっていたヘドロの32cmの減少は、全体では大変な量の減少になります。

次お願いします。

 

昔の川の様子を知る人の話では、30年前の様子に戻ってきたのではないかということです。また、活動現場周辺だけにとどまらず、上流でもヘドロの減少が確認されています。

次お願いします。

 

活動現場から約1.7km上流の本川と呼ばれる川まで、浄化現象が確認されています。

次お願いします。

 

600m上流の神田橋。右の岸側に積もっていたヘドロがきれいに無くなり、砂地が出ました。

次お願いします。

 

1.7km上流の本川。川の中に島があります。そこのところにヘドロがありましたが無くなっています。このように、活動現場のみならず広い範囲にわたってヘドロが分解されるということは、当初の想像を遥かに上回っておりました。

この現象は、引き潮時にEMつち団子やEM発酵液を投入することで、ヘドロに住み着いたEMが、満ち潮になるにつれ、比重が重い海水が上流に上っていくのに併せて、EMも上って行き、結果的に上流のヘドロにも住み着き、分解したものとおもいます。満ち潮時の海水は太田川本流の安芸大橋まで上ります。その結果、引き潮時には、太田川のすべての支流にも下っていきます。従って、京橋川の常磐橋周辺に集中的にEMを投入したことが、2〜3年継続して取り組むことで、京橋川だけでなく、太田川放水路、本川,元安川、天満川にも流れていき、市内全域に影響を与えています。

目測ではありますが、減少したヘドロは数万tにのぼり、削減された浚渫費は30億円になるとみられます。

漁獲量も回復しております。シジミの漁獲量は、一時期の20kgに比べて現在では50kgまで回復し、シジミの死亡率も低下しています。さらに水中には、小魚が多くみられるようになりました。

共に活動を進めてきた河野さんは、最初は半信半疑でしたが、今ではEMの働きを実感し積極的に取り組んで下さっています。また、広島市水産振興センター(市関連の研究所)もこの増加現象に注目しています。

数年後には太田川全域のヘドロが減少するでしょう。さらに、効果が広島湾にまで波及し、アマモ・魚介類が復活することが期待されます。その経済効果は50億円以上になると思われます。

我々の活動の成果が外に知られる機会、また自分たちも取り組みたいという動きも増えてきました。

次お願いします。

 

平成17年の夏、比嘉教授・節子夫人が視察に来られました。この時、減少したヘドロは数万t、削減された浚渫費は30億円に上るのではないかと言われました。我々も改めてこの活動の成果に驚いた次第です。

次お願いします。

 

11月にはヨーロッパのEM関係者らが我々の活動を視察に訪れました。視察団一行は、市民の力でこのような大きな河川を浄化できるということに関心を示し、素晴らしいプロジェクトだと評価してくれました。

次お願いします。

 

下流にある段原小学校では、我々の活動に関心を持ってくれた先生方が中心となり、EM講習会やEMつち団子作りを通した環境教育を、今年の1月から総合的な学習の時間の中で実施しています。未来の広島市を作る子どもたちに、こうして川をきれいにしていくことの大切さを伝えること、そしてその具体的な方法としてEMに触れてもらうこと。大変意義のあることだと思っています。

他にも、シニアのボランティア団体が浄化活動に取り組みたいとの申し出があります。自治体方面でも市の水産課から青潮対策にEMを使いたいとの申し出がありました。こうして様々な団体へと今波紋が広がりつつあります。

次お願いします。

 

ヘドロのニオイに耐えながらの散布、寒い冬の日の活性液の仕込み、台風のたびに船や器材が流されました。特に最初の一年は明確な成果も見えず、苦労して活動を続ける意味があるのだろうかと考えることも度々ありました。しかし、ここまで続けることができました。

それは、なぜこのことに取り組むのかという目的と意識。志をしっかりもつことがとても重要です。そして、実現するまで、少なくとも3年間の継続。飽きず諦めず続けていくという覚悟で臨む。そして、活動を推進するスタッフの組織体制づくり。つまり、「太田川じゃぶじゃぶ大作戦チーム」の結成が必要です。こうした、活動を推進していく、基本理念、基本体制の構築に併せ、スタッフの連帯感によって、こうした夢のような成果が出るまで継続することができたポイントでは無いかと思います。

次お願いします。

 

私たちの活動とその成果の意味は、太田川のような大きな川を、市民自身の力で綺麗にすることができるということです。とても市民の力ではと思うようなことが、実現できました。そこには、継続することがとても重要です。それも3年以上、飽きず諦めず進んでいくことが重要と考えます。

今や環境の問題は、私たち自分自身の問題であるという自覚が求められます。今までのように国・県任せだけでは解決できない時代になってきました。官主導の時代から、官民が一体となって社会を良くしていく時代へと変えていく必要があります。そして、私たちの活動を通して、そのことは、決して夢ではなく、実現できることが実証されています。後は、やるかやらないかの問題です。どのような大きなことも、一人からの志から出発します。一人がかわれば、回りがかわり、ひいては地域が変わり、社会が変わります。 一つの素晴らしい「証」の型は、いずれは、回りに波紋し、全体に広がっていきます。

平和で美しい水の都・広島の実現、そして広島市のまちづくりが発展することを夢見て、これからも活動を続けていきたいと思います。

これにて発表を終わらせていただきます。ありがとうございました。

 
 
 

平成18年4月7日 広島EM普及協会
(この記事についての質問や詳しい内容は、広島EM普及協会までお問い合わせ下さい。)